いまさら聞けない!“TAPA認証”の仕組みって?

セキュリティ

製品の輸送・保管中の紛失・盗難を防ぐためのセキュリティ規格、「TAPA」。

1997年にアメリカで設立された非営利団体TAPA(Transported Asset Protection Association)が倉庫・輸送におけるセキュリティレベルを審査し、認証を与えるものだ。

当初はハイテク製品を対象としていたが、近年では、食品・医薬品・ブランド品へと広がり、今後はこの認証を取得しているかどうかが差別化戦略のポイントとなるだろう。

今回はTAPAについて、その内容やメリットを見てゆく。

なぜTAPAが差別化戦略のポイントになるのか

海外と比較して安全性が高いといわれる日本では、性善説的な考え方をする人も多く、宅配便のドライバーに対してそれほど不信感を持っていない。

しかし海外では、ドライバーによる窃盗はもとより、宅配便のふりをして金品や命を奪う事件まで発生している。

また日本では、2007年中国製冷凍餃子による食中毒で大勢の人が被害を受けたが、このころから輸送中の異物混入や商品の入れ替えなどの危険性も問題視されるようになった。

流通販売の過程において、意図的な異物混入・食品テロなども考えられるからだ。

こういった事件から、多くの食品を輸入に頼る日本でもTAPA認証の取得への声が上がっている。

日本でTAPAを取得する企業はまだ少数だが、海外では荷主から物流事業者に対してTAPA認証を必須条件とする企業も多くなっている。

そのため、TAPAを取得することが競合企業との差別化に結び付くといえるだろう。

TAPA認証を取得するメリットは?

まず、物流事業者側のメリットとしては、荷主が倉庫・輸送会社に対して必須条件として提示している場合、TAPA認証を保有する企業は入札でも優位に立てることが挙げられる。

また、今後TAPA認証取得が世界基準となる可能性は高く、特に海外での取得要望は拡大している。

この動きは今後日本でも浸透する可能性があり、今から取得に向けて活動し始めていれば、先手を打つことができるだろう。

これらは日本の物流業界の安全性アピールにつながり、アジアでの高価値商品集積=ハブ基地の創造も促すことができる。

もちろん、荷主側にも大きなメリットがあることも忘れてはいけない。

まず、TAPA認証取得には次の項目で述べるような厳しい基準をクリアする必要がある。

そのため、盗難被害のリスクを下げることにもつながり、消費者の信頼を失うことやマーケット喪失を防ぐことができる。

また、近年では輸送中の盗難・差し替えといった事例も多く、特に人体に影響がある食品・医薬品などの社会的インパクトは絶大だ。

こういったリスクに対応しうるTAPA認定取得企業に荷物を委託することで、世界的に統一されたセキュリティ水準を維持できるだろう。

このようなTAPA認証に関わる荷物は、当初電子機器や精密機械といったものだけだった。

しかし、近年では健康被害を及ぼす可能性が高い食品や医薬品、そして書類・宝石・絵画といった貴重品も含まれるようになり、これらを集積する倉庫および管理を行う物流事業者などが、TAPA認証の対象に含まれている。

倉庫資産保護と配送時のセキュリティ強化

TAPAには、「FSR」と「TSR」の2種類がある。

まず、「FSR(Freight Security Requirements)」は、「ハイテク・高付加価値商品、 重品等の保全」と「企業の資産」の 保護を目的とする倉庫を対象とした認証を指す。

これは、TAPAが物流事業者のとるべき保安に関する要求事項として定めた「FSR」のなかで、既定の点数をクリアすることにより認証が与えられるというもので、レベルの高い順にABCの3ランクが用意されている。

そして、「FSR」は別名「貨物セキュリティ要求事項」とも呼ばれ、倉庫やその周辺のセキュリティ、アクセス管理といった要求項目が細かく定められているのだ。

倉庫やその周辺に関わる「FSR」とは対照的に、「TSR(Track Security Requirements)」は、配送時のセキュリティに関する項目を意味する。

具体的には、車両の施錠や夜間の駐車条件といった車両に関するセキュリティ対策を指し、盗難による損害や盗難品が市場に出回り信頼を失ってしまうといった事態を防ぐことができる。

また、「FSR」「TSR」ともに犯罪手口の推移に対応するため、そして技術進歩による輸送のコストダウンのために、3年ごと要求項目が改定される。

TAPA認定取得で世界水準を獲得する

グローバリゼーションが進む現代、国内外へ向けた輸送も増えており、日本基準のままでは海外企業に太刀打ちできないだろう。

これを改善するためにも、TAPAを早期に取り入れて世界水準を獲得し、他社との差別化を図ることが先決といえる。