人が集まるところに悩みあり。大規模イベントの問題点5選

セキュリティ

近年注目の大規模イベントといえば、2020年開催予定の東京オリンピック。豊洲市場の移転や新国立競技場、ボート・カヌー競技会場のことなど問題はまだ山積みだが、東京を舞台とした国際イベントに胸の高鳴りを覚える人もいるだろう。しかし、このような大規模イベントが開催されるときには、参加者の体調不良やスマートフォン利用者の激増によるネットアクセス困難、盗難事件など、さまざまな問題が起こる可能性がある。

今回は、大勢の人が集まるイベントに付き物の悩みを紹介する。

アクセス集中によるネット環境問題

イベント会場では、来場者が使える無線LAN回線が整備されることが一般的になってきた。ただ、これが原因で一時的にアクセスが集中してしまい、通信困難となるケースがある。

運営側と来場者が同じ公共のネット回線を使用する場合、主催者が予想していないほど来場者が増えてしまうとアクセスが困難となり、イベントの運営そのものが難しくなってしまう。このような混乱を避けるため、主催者は運営側と来場者用の回線を区別することを検討すべきである。事前に来場者数を予測し、運営用には有線LANを用意する、規模が大きい場合には別途ネット回線を用意するといった工夫が必要となる。

予測困難な来場者の体調不良

2015年に幕張メッセで開催されたスマホゲームのイベントでは、来場者80人以上が体調不良を訴え、そのうち11名が熱中症とみられる症状で救急搬送された。海浜幕張駅から会場までに長蛇の列ができ、入場できなかった人が体調不良を起こしたのだ。このときには、来場者数の見込みが甘く、行列を整理するための柵が十分に用意できていなかったという問題点が浮き彫りとなった。

もちろん、天候やイベント内容によってはこれとは異なる問題が起こることもある。同じく2015年に大阪で開かれたフード・フェスティバルでは、8人の来場者が嘔吐や下痢などの食中毒症状を訴えて緊急搬送された。このような事態を招かないためにも、季節のイベントにおいては内容に応じて起こり得る事件や事故を予測し、それらを防ぐ手立てを検討することも必要だ。

例えば、フジテレビが夏にお台場で行っているイベントでは、暑さ対策や体調の変化に対する注意喚起などもサイト上のインフォメーションページに掲載されている。イベント開催時には、このようなサイト内での注意喚起と合わせて、現地でのスタッフ指導や救護室への案内板の設置なども必要となるだろう。

イベント会場で起こる盗難事件

イベント会場での盗難事件というと、来場者が財布や購入したグッズを盗まれるという状況を思い浮かべる人が多いだろう。イベントの開催要件やチケットなどには、手荷物や貴重品などの盗難に関しては一切責任を持たないという一文を明記していることが多い。

だが、問題となるのはこういった来場者間で起こる盗難事件だけではない。2015年10月から11月に開催された人気漫画のイベントでは、登場キャラクターのスタンプラリーを開催。その際、会場に設置されていたスタンプが紛失した。スタンプはワイヤーでつながれていたため、簡単には紛失しにくいことから、盗難の可能性も指摘されている。「マナーの悪いファンの仕業」という見方もあり、一部のファンからは怒りの声も上がっていた。

こういった事態に備えるためにも、警備員の配置やカメラの設置といった防犯対策も必須となるだろう。

交通混雑や宿泊施設・ロッカー不足問題

マラソンや祭りなど広範囲で行われるイベントでは、交通規制が行われることも少なくない。イベントによっては、期間中の混雑を避けるために公共交通機関を利用するよう促すことも多い。指定の駐車場がない場合には、周囲のパーキングも不足することになる。そのほかにも遠方からやってきた来場者によって、付近の宿泊施設やコインロッカーが不足することもある。そのため、あらかじめイベントの規模や内容に応じて適切な会場や開催場所を選ぶ必要性がある。

大規模イベントを狙ったテロ

日本でテロは起こらないだろうと考える人もいるかもしれないが、海外ではフランス革命記念日の花火見物やドイツの音楽祭会場などにおいてテロ事件が発生。外務省は欧州における記念日やイベントを狙ったテロに対し、注意喚起を行っている。今後は日本でも、テロ発生を防ぐための警備員や、本部で待機する人員・車両・人材の確保や、人材教育(研修・訓練の実施)なども重要となるだろう。

問題点を踏まえた運営プランの作成が必須

大勢の人間が集まることで、混雑や混乱に乗じた窃盗や事故なども起こりやすい大規模イベント。近年はテロのような多数の人に被害を与える事件も世界各地で発生しており、イベント開催時には厳重な警備も必要となる。こうした問題点を踏まえたうえで、運営プランをじっくりと練るべきだ。