内部犯行にご注意!情報漏えい以外にもあるさまざまなリスク

セキュリティ

「〇〇社が顧客の情報漏えい。原因は元社員による持ち出し」

「漏えいしたデータは〇〇万件に及び、同社の株価は大幅に下落」

近年、このような個人情報漏えいのニュースが世間を賑わすようになった。その多くは内部の人間からの流出が原因といわれている。もっとも、内部犯行は個人情報漏えいだけにはとどまらない。金品の盗難、まだ公開できない新商品情報の漏えいなど、さまざまなケースがあるのだ。過去にどのようなものが発生してきたのだろうか。その事例を見ていこう。

銀行内のシステム不正操作により、現金を詐取

某大手銀行では、元副支店長が外貨預金の取引システムを不正操作し、合計10億円以上もの現金をだまし取ったとみられる事件が発生した。元副支店長は、外貨預金取引の実務のなかでシステムの不備に気付いたため、犯行を計画したのだという。犯行は長期間にわたって行われ、同行には深刻な経済的被害と信用失墜が発生することとなった。

ホテル元従業員が財布を窃盗

某所のホテルにて、フロントで保管されていたスキー合宿中の高校生の財布などが大量に盗まれる事件が発生した。容疑者である元従業員は、プライベートで起こったある事件をきっかけに約1カ月間働くことができなくなり、将来に不安を覚えたことから犯行に及んだと主張している。容疑者は従業員であったことから防犯カメラが設置されている場所を知っており、そこを避けて裏口のドアから合鍵で侵入したと述べている。

コンビニ店員がアイスクリームの冷蔵ケース内で寝転ぶ写真をSNSに投稿し炎上

某大手コンビニエンスストアの店内で、アイスクリームを販売する冷蔵ケースの中に従業員が入り、寝転がる様子を撮影した写真がSNSに投稿された。その写真を見た人々から「不衛生ではないか」という声が上がり、インターネット上で「炎上」する騒ぎとなった。その店員が懲戒解雇となっただけではなく、大手コンビニチェーンの責任者は「食品を取り扱う者としてあってはならない行為」として謝罪し、該当する店舗とのフランチャイズ契約を解約することとなった。

看護学生が患者の臓器写真をSNSに投稿

ある看護学校の講義において、講師がポリ袋に入った状態の胃がん患者と大腸がん患者から摘出された臓器の一部を回覧した。看護学生はスマートフォンでそれを撮影し、SNS上に2枚の写真を公開していたという。その投稿がインターネット上で騒ぎとなり学生はアカウントを非公開にしたが、学生が公開していたバイト先にもクレームが寄せられ、そのバイト先がブログで謝罪する事態にもなった。その後、同校は「看護学生として倫理観を著しく欠く情報をインターネット上に公開した」としてWebサイトで謝罪し、この生徒は退学処分となった。

「人」に頼らない防犯対策を

これらの事例を見ていくなかで、若いアルバイトや学生のように社会人経験がそれほどない者だけではなく、ある程度の長期間にわたり社会人経験を積んできた副支店長クラスの人物ですら内部犯行に及んでいることがわかった。これはつまり、キャリアの長短や役職の有無に関わらず、あらゆる立場の人が内部犯行に及ぶ可能性があることを意味している。

これを受けて、「内部犯行を防ぐためには、警備員を雇う必要があるのではないか」という声も上がるかもしれない。だが、当然ながら雇用のコストもかかるし、その警備員ですら何かしらの犯罪をしてしまう可能性は常につきまとう。

内部犯行を防ぐにはむしろ、防犯カメラや作業のログ監視などのシステム化が効果的だ。それにより、人間の目が行き届かない部分や苦手な部分を補完することで、セキュリティを向上させることが可能となるからだ。現在まだ人の力だけに頼った防犯対策を実施している企業も、自社と従業員を守るために、システムの導入は常に検討しておきたい。