赤外線サーマルカメラを活用した防犯対策とは

セキュリティ

セキュリティマーケットで普及が進む、赤外線サーマルカメラ。赤外線カメラや防犯灯カメラなど、たくさんの映像デバイスがあるなかで、なぜ今赤外線サーマルカメラが注目されているのだろうか。防犯分野での活用について学ぶ。

赤外線サーマルカメラのメリット

赤外線サーマルカメラとは、物体から発する熱エネルギーによる赤外線を可視化し、計測するカメラを指す。「赤外線を可視化する」といわれてもピンとこないかもしれないが、人でも物でも温度が絶対零度を超える物体は、すべて赤外線を放射している。赤外線サーマルカメラは、その赤外線を捉えてモニターに映し出すことができるのだ。

赤外線サーマルカメラの大きなメリットは、対象物の熱エネルギーを可視化するための装置であることから、光学カメラでは捉えることができない夜間でも監視することができること。光学カメラを使用する場合、夜間は照明を設置する必要があるため費用が掛かるが、赤外線サーマルカメラについてはその心配はない。もちろん、霧や煙、木々などによって視界が遮られる場合でも、問題なく監視を行える。また、光学カメラと違い、長距離の監視を行えることも大きな魅力といえるだろう。

例えば工場で使用する場合には、設備の故障や火事などにつながる熱源を捉えることができるため、異常を早期に検知することが可能だ。ほかにも、長距離監視を必要とする国境警備や、ガス漏れの検知などさまざまな場面で赤外線サーマルカメラのメリットを生かすことができる。

そのほかのカメラとの違い

ひと口に防犯カメラといっても、さまざまな種類がある。赤外線カメラや防犯灯カメラなど、赤外線サーマルカメラ以外にもたくさんの種類があるが、これらの違いはなんだろうか。

まず、赤外線カメラとは夜間使用に適したカメラで、暗視カメラとも呼ばれる。光学カメラの場合、光のない場所での夜間の監視は行えないが、赤外線カメラの場合は赤外線を照射してモノクロ映像を映し出すことができる。しかし、サーマルカメラのように熱源を捉えることはできない。また、映像がモノクロになるため、鮮明さに欠けてしまうこともデメリットといえるだろう。

防犯灯カメラはその名称の通り、暗くなるとライトが点灯するカメラであり、夜間でもカラーで映像を捉えられるのがメリットといえる。これを使用する場合、別途に照明を設置する必要がないため、投資費用も抑えることができるだろう。ただし、撮影範囲は限られてしまうため、望遠レンズがついているものにするか設置台数を増やすかする必要があるだろう。これと似たようなものがセンサーライトカメラで、人感センサーが人を検知すると照明が点灯する。侵入者への威嚇効果も期待できるが、センサーの作動範囲や照明範囲で防犯効果は左右されるだろう。

それぞれメリットデメリットはあるが、赤外線サーマルカメラの場合、これらのデメリットを払拭できるのが大きなポイントだ。

赤外線サーマルカメラの導入事例

工場や駐車場のような広大な敷地にカメラを設置する場合、カメラの設置台数が多くなり、さらに照明、センサーなども導入すると、投資額も大きくなる。フェンスセンサーやテンションセンサーなどは、定期的な調整やメンテナンスが必要なため、こういった費用が大きな負担になるといえるだろう。

しかし、赤外線サーマルカメラの場合はこういったデメリットを補うことができるのだ。

まず、監視距離が長いため、カメラの台数は少なくて済む。また、暗闇での監視が可能なため、照明器具や人感センサーなどを別途に設置する必要がなく、コストを軽減することが可能だ。さらに、濃霧や大雨といった天候に関わらず監視を行えることも、大きなメリットといえるだろう。侵入者が建物や草木の陰に隠れていても、熱で検知できるため、防犯効果も期待できる。

赤外線サーマルカメラの設置で投資額を押さえる

これまで述べてきたように、赤外線サーマルカメラは光学カメラや赤外線カメラなどのデメリットを補うことができる存在だ。センサーや設備を増設するのも一手だが、赤外線サーマルカメラに絞るのも、防犯への投資額を減らす方法のひとつではないだろうか。