自動運転トラック導入のメリット・デメリット

テクノロジー

2016年4月、互いに通信しながら隊列走行できる自動運転トラックがヨーロッパ横断に成功した。

国内でもすでに大型トラックの自動運転・隊列走行実験の成功例があり、「自動運転トラック」の導入は現実味を帯びてきている。

このことは、社会にどのような影響をもたらすのだろうか。

メリットやデメリットを考察する。

開発・導入はどのくらい進んでいる?

昨今増えてきた、「車の自動運転」についてのニュース。

最近では、トラックの自動運転についてもさまざまな記事を目にするようになった。

2015年には、ダイムラーの自動運転トラックFreightliner Inspirationが世界で初めて公的に認可を受けた。

そして2016年4月には、ダイムラー、ボルボなど大手メーカー6社によって「スマート・トラック」の実証実験が行われている。

このプロジェクトでは、自動運転トラックが互いに通信しながら隊列走行し、ヨーロッパ横断に成功した。

また同じく2016年、GoogleやAppleの元社員らが自動運転トラックメーカー「Otto」を起業し、話題になった。

国内では、すでに2010~2013年に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が大型トラックの自動運転・隊列走行実験に成功している。

また、2016年には、「いすゞ自動車」と「日野自動車」がトラックの自動運転技術を共同で開発すると発表した。

自動運転トラックのメリット、デメリットは?

国内外で多くの動きがある「自動運転トラック」だが、実際に導入された場合には、社会にどのような影響があるのだろうか。

主なメリット・デメリットをまとめてみた。

メリット

運送会社は、人件費の削減、燃料効率の向上、安全な輸送、ドライバー不足の解消が可能になる

消費者は、より低コストで高い生活水準を得られる

交通事故の死亡者数を減らせる

自動運転車が車間距離を縮められれば、渋滞が緩和し、環境汚染を減らすことができる

米トラック運送協会によると、2015年には大型トラックの運転手が約5万人も不足しているとのこと。

自動運転が導入されれば、そうした状況にも対応していくことが可能になる。

また、人件費を抑えられることで商品の運送コストが下がり、消費者の生活水準の向上も期待できるほか、運転が自動化されてヒューマンエラーがなくなることで、交通事故の死亡者数も減っていくというメリットもあるだろう。

完全な無人運転ではなくドライバーが乗る場合でも、自動運転中にはタブレットなどを用いて事務作業が行えるようになるため、業務の効率化を図ることができる。

デメリット

ドライバーや関連ビジネスの従業員の多くが失職する

高速道路で専用レーンを設けるなどの措置が必要になる可能性がある

法の整備に時間がかかる可能性がある

自動運転が本格的に導入されれば、多くのドライバーが職を失うことになるだろう。

アメリカでは労働人口の約1%が失職することになるとも言われており、経済への影響も大きなものになることが予想されるが、日本においても同様の懸念がある。

また、自動運転トラックが導入され始めても、人が運転するトラックが完全になくなることは当分ないため、高速道路で専用レーンを設けたり、新たに法律を作ったりなど、さまざまな措置が必要になるだろう。

これにより、運送業を取り巻く環境が複雑化する可能性もある。

今後の開発・導入の動向を見守ろう

自動運転トラックには、さまざまなメリットがあるが、デメリットも少なくない。

導入の現実味は増してきたが、解決していかなければならない問題も数多く残されている。

こうしたなか、これからの開発・導入の動向を見守りつつ、今後運送業においてどのような技術や対策が必要かを判断していくことが大切だ。