人手不足の警備業界に朗報。犯罪抑止にロボットを活用!

テクノロジー

警備員が持っている熟練の感覚や技術は、ロボットによって自動化できないのだろうか? 実は、国内外においてロボットを活用した警備の事例は少しずつ増加しており、ロボットが警備をするということは「夢物語」ではなくなりつつある。警備員の人手不足も深刻化するなか、ロボットを活用した犯罪抑止について概観していこう。

なぜ、警備業務でロボットの導入が進みつつあるのか

警備業界においてロボットの導入を進める必要がある理由は、何といっても「人手不足」だ。警備員は非正規の雇用形態が主流であるため、昇給や賞与は与えられないという場合が多く金銭的な待遇は他業種と比較するとあまり良くない。また、人手不足が原因で長時間勤務、連勤などが発生する場合が多く、それが原因で体調を崩すケースも多いため、余計に人が定着しないという課題がある。だからこそ、ロボットを導入することにより人間の仕事の一部をロボットに代行してもらい、警備業界で働く人々の負担を軽減していこうといわれているのだ。

警備業務へのロボット導入事例

それでは実際に、警備業務にロボットが導入されている事例はあるのだろうか? 国内外で見られる動きの一部を解説していきたい。

まず、オンライン自動車配車サービスのUberは、決められた場所をパトロールする警備ロボット「Knightscope K5」を導入している。このロボットはシリコンバレーのスタートアップであるKnightscope社が製造しているもので、警備員の代わりに駐車場といったエリアをパトロール可能だ。このロボットは、時給換算すると、一般的な警備員の給料よりも低い金額で貸し出され24時間365日稼働させることができるため、警備費用の圧倒的なコストダウンにつながるのだという。

日本国内に目を向けると、警備会社であるALSOKは、警備員とのコミュニケーション機能を強化した自律走行ロボット「Reborg-X」の販売を、2015年5月より開始した。同社はそれ以前も独自に開発した自律走行型の警備・案内ロボットを販売してきたが、「Reborg-X」はより高性能になっており、設定エリア内の侵入者検知や人物認証、ロボットが取得した画像や位置などの情報を、警備員のモバイル端末やオペレーションセンターとリアルタイムで共有できるなどの特徴を持っている。また、ショッピングセンターや空港などの混雑した場所でも、安全性を最優先しながら自律走行し、障害物を回避することもできるのだという。

かつて人間のみが担ってきた警備業務には、確実にロボットの導入が進みつつあるといえるだろう。

ロボットを活用した警備業務の未来

とはいえ、「すべての警備業務を完全にロボットによって代替できる」というわけではない。確かにロボットによる警備は監視できる範囲も広く、人間よりも圧倒的に長時間稼働させ続けることができるが、人間が行ってきたように周囲の状況をこと細かに観察して、業務の内容をフレキシブルに変更するといったことはまだ不可能だ。だからこそ、人間とロボットが協力して「それぞれの得意分野で補完し合う」という形態が求められるようになるだろう。

つまり、高度な判断力が求められる業務は人間が、広範囲を長時間警備するような業務はロボットが実施するということだ。そうすることで、警備員一人ひとりの負担を軽減でき、将来的にはそれが人手不足の解消にも結び付いていくのではないだろうか。

これまで、「人間の勘や経験がなせるワザ」のように思われてきた警備業務も、ロボットの導入によって効率化したり、サービスレベルを向上させたりできる可能性を秘めている。警備業務の課題が最新の技術によってどのように解決されていくのか、これからも目が離せない。