改正物流総合効率化法ってなに?

物流

現在の物流業界を取り巻く現状は厳しく、ECサイトの普及により宅配便に代表される小口輸送の取り扱い数が増える一方で、トラック運転手不足は解消される見込みがない。打開策を後押しするために2016年に閣議決定した「改正物流総合効率化法」について紹介する。

物流総合効率化法とは

以前の物流総合効率化法は、2005年10月に施行された法律である。

物流を総合的、効率的に実施することによって物流コストの削減と環境負荷の低減を図る事業者に対して、計画の認定や関連措置などが定められているが、大きな優遇措置には以下の4つがある。

・事業許可等の一括取得

・営業倉庫等の施設や設備に対する税制の特例

・施設の立地規制についての配慮

・資金面の支援

大企業のみならず、中小規模の物流業者にも活用しやすい法律とされている。

物流業界の現在の状況

物流総合効率化法の施行から約10年、物流業界を取り巻く状況も変化している。

例えば、近年はECサイトの躍進が目覚ましく、それに伴い、荷主や消費者のニーズが高度化、多様化し、宅配便に代表される小口輸送が大幅に増加した。1990年には800万件だった小口輸送(0.1トン未満の貨物)は、2010年には1,800万件にまで膨れ上がっている。

それは、トラック積載率の低下にもつながっていると考えられている。

また、深刻な人手不足に陥っている状況もある。2013年10月の国土交通省のデータでは、トラックのドライバーの約37%は50歳以上、内航船員にいたっては約50%が50歳以上である。このように高齢化が進んでいることから、今後、ますますの人手不足が懸念されている。

国際競争力の維持、強化のためには、物流効率化のさらなる推進によって、省力化、少人化を目差すことが重要となっている。

改正物流総合効率化法について

そこで、2016年2月に「人手不足にも負けない便利で効率的な物流を実現」といううたい文句と共に閣議決定し5月に成立した「改正物流総合効率化法」は、物流業界の実情に即した法改正を目指したものである。

概要を大きく見ると、以下の3点である。

・法目的の追加

「流通業務に必要な労働力の確保に支障が生じつつあることへの対応を図るものである」ことが法目的に追加された。

・ワンストップ手続きを拡充

国の認定を受けた事業で、海上運送法や鉄道事業法等の許可等が必要なものについて、「関係法律の許可等を受けたものとみなす」といった行政手続きの特例が追加された。

・支援の対象を拡大

流通業務総合効率化事業が支援対象となるが、その要件が変更。「一定の規模および機能を有する物流施設を中核とすること」が必須条件ではなくなり、「2以上の者が連携して行うこと」が前提条件となった。

これは、流通事業の効率化の方策が、物流拠点といった「施設整備」から、複数の事業者による「連携」へ変わったことを意味している。荷主や物流事業者などの関連業者が連携することによって、物流ネットワークの総合化と効率化をいっそう推し進めることが必要となっていることを反映しているといえよう。この改正法によって事業者が、輸送網集約、共同配送やモーダルシフトなどのさまざまな取り組みを推進することが期待されている。

まとめ

改正物流総合効率化法の認定対象事業には、例えば、地域内配送の共同化事業が挙げられる。共同輸送によって貨物混載や帰り荷確保を図り、トラックの積載率を上げ、無駄のない配送を目指すものである。また、総合物流保管施設にトラック営業所を併設するというように輸送網を集約し、さらに予約システムを導入するといったことで手持ち時間の短縮を図る方策も挙げられる。

潜在的輸送力の活用を考え、省力化を推進し、効率的な物流を実現することによって多様なニーズに応えるとともに、人手不足にも対応していきたい。