トラックの交通事故って何が原因?

物流

運送会社にとって絶対避けたいのが「交通事故」。公益社団法人全日本トラック協会の発表によると2014年の事業用トラックの交通事故の発生数は、17,801件となっている。どのような事故が最も多いのだろうか? 今回は、同協会が発表している2014年の交通事故事例分析から、トラックの交通事故の発生状況を詳細に見てみよう。

事故類型別に見た事故の発生件数

2014年のトラックの交通事故、17,801件の内訳を事故類型別に見てみよう。

車両相互の事故が16,460件と圧倒的に多く、人対車両が1,129件、車両単独も211件発生している。人対車両1,129件には、120件の死亡事故も含まれている。事故発生時の「人」の状態は横断歩道35件のほか、路上停止中、路上作業中、路上横臥中にも死亡事故が発生しているので気をつけたい。

車両単独では、運転者が不在の駐車車両への衝突が事故の類型として最も多く、次に防護柵等への衝突が続く。死亡事故も、駐車車両や防護柵等への衝突も含め、33件発生しているので、工作物や駐車車両への衝突だからといって軽症であるとは限らないことがわかる。

事故類型別に見た車両事故の状況

トラックの交通事故のほとんどを占める車両事故について詳しく見てみよう。2005年から2014年までの事故類型を見ると、常に追突が抜きん出て多く、事故の約半数を占めている。

次に、出会い頭衝突が続き、事故の10%前後を占める。人対車両と右折時衝突、左折時衝突が約5~8%となっている。2009年までは左折時衝突よりも右折時衝突が多かったが、2010年以降は右折時衝突よりも左折時衝突の発生数が多くなっている。

高速道路における事故に限ると、2014年では、追突が71%、進路変更時衝突が11.3%、追越・追抜時衝突が5%となっている。

なお、事故類型を運転者の年齢層から見てみると、年齢が若ければ若いほど追突事故の比率が高く、20歳以下の運転者の場合、65%が追突事故であった。

法令違反別に見た事故の状況

法令違反別の事故の状況を見てみよう。2014年の軽傷事故では、安全不確認が25.8%、脇見運転が23.4%、動静不注視が15.7%、漫然運転10.1%。重傷事故でも安全不確認が28.3%、脇見運転が14.4%、漫然運転12.2%、動静不注視が9.8%と、発生状況は似ている。しかし、死亡事故では、漫然運転が23.6%、脇見運転が15.5%、安全不確認が12.1%であり、運転中にほかのことを考えたり、ラジオ放送に聞き入ってしまったりなどの漫然運転や脇見運転は大きな事故に結びつきやすいことがうかがえる。

車両的要因による事故

車両的要因による事故の件数は多くはないが、詳細を見ておこう。

車両的事故の主な要因には整備不良と状態不良が挙げられる。

2014年の整備不良による事故発生件数は31件、そのうち17件は大型車である。中型車・普通車も含めた整備不良の内容を見てみると、パンクや摩耗、空気圧調整不良などのタイヤ不良が約45%を占めた。そのほかには、制動装置不良、車輪不良などが多く見られた。

状態的不良による事故発生件数は50件、そのうち33件は大型車である。中型車・普通車も含めた全体の内容を細かく見てみると、荷くずれが66%、積み荷等の車外はみだしが28%であった。「着色フィルムが視界に影響した」や「車室内の飾り物が視界に影響した」、「車室内の荷物が視界、操作に影響した」事故も1件ずつ発生しているので、気をつけたい。

生死を分けるシートベルトの着用

2014 年の事業用トラックの交通事故における運転者について、シートベルト着用の有無で事故の死傷者率を見てみると、シートベルトを着用していた場合の死亡・重傷者の比率は約31%だが、非着用では約74%と倍以上になる。死亡率に限れば、シートベルト着用では約7%のところ、非着用では約48%と跳ね上がる。

シートベルトの着用は初歩的な注意点であるが、運転に慣れたからといって着用しなくてよいということはない。積み下ろしが頻繁であっても、シートベルトは運転のたびにきちんと着用しよう。

運転歴が長くとも注意!

運転免許経過年数で事故件数をみたデータによれば、事故の71%が30~50代の年齢層で免許経過年が10年以上の運転者によって起きている。運転歴の長いベテランであっても、「慣れ」が「不注意」や「油断」を生まないように気をつけたい。