CLOって何?物流業界に求められる戦略的視点

物流

アメリカをはじめとする欧米諸国では、重要な役職のひとつとしてCLO(Chief Logistics Officer:最高ロジスティクス管理責任者)というポジションが存在しており、ロジスティクス管理の重要性が広く認知されている。

このCLOは、何を担当する役職であり、どのようなニーズがあって登場してきたものなのだろうか?今回は、CLOの役割やメリットを知り、日本企業における導入の是非を考えていきたい。

CLOとは何か?

CLOとは、企業のロジスティクス(企業を経営するにあたり必要となってくる物流を、合理化するための手段)戦略全般の責任を担う者のことだ。物流における現場の担当者ではなく、経営的な視点から物流戦略を総括的に意思決定できる執行役員クラスのポストである。どのようにすれば適切な数の商品やサービスの生産・仕入れを行い、ベストな量の在庫を保つことができるか、そしてそれらをいかにして顧客に対して適切な手段やタイミングで届けることができるかなどの戦略の策定を伴う。

それでは、なぜ、海外の企業ではCLOが置かれているのだろうか?

欧米諸国や物流先進国であるシンガポールなどでは、企業が担う物流改善の施策を全社規模でのロジスティクス戦略と結びつける発想が必要とされ始めている。そのため、その業務を管理する役職であるCLOが各企業に置かれるようになってきているのだ。

また、アメリカでは大学院のMBA(経営学修士)コースのサブカリキュラムといったところにもCLOのコースが置かれるようになっており、ロジスティクスのノウハウを体系的に学べるようになってきている。

こうした国々では、「物流」という視点から経営戦略を構築していくうえで、CLOが必要不可欠な役職であるということが認められているのだ。

CLOを配置することによるメリット

企業にCLOを配置することにより、以下のようなメリットが生まれる。

・ 物流およびロジスティクスの領域において、経営戦略の策定やプロジェクトマネジメントの実施が可能になる

・ 企業活動を広い視野で捉えることで、物流・商流のみならず「情報流」や「金流」をもトータルで考えて業務効率化できるようになる

・ 日本だけではなく世界中から、品質やコスト、納期などの観点で最も自社のビジネスにマッチした商品製造業者や卸売業者、運送業者などを選定できるため、グローバルソーシングが実現する

・ 自社だけではなく、物流に携わる複数企業の相互利益を調整することで、すべての企業がWin-Winとなる取引を形成できる

日本への導入に関する考察

現状では、日本企業の多くはロジスティクスに対する理解がまだまだ足りていないといえるだろう。例えば、「ロジスティクス管理者」という名目で仕事をしていても、実際には単なる物流管理業務を行っているだけであったり、本来はロジスティックス部門が一手に担当すべき業務を、複数の関連部署それぞれが重複して抱えていたりするケースが多い。

また、IBMの調査によると、日本企業の場合、海外拠点で販売・製造のみを行い、ロジスティクスを外部に丸投げにしているケースが多く、海外のロジスティクスについての責任部門を設置している割合は、日本企業全体の5%程度しかないという。このため、日本企業においては物流に携わる部署や社員が、戦略性や計画性を持った動きをしにくい体制となっている。

こうした状態を改善し、ロジスティクスを総体的に管理できるようにしていくためには、日本企業においてもCLOの導入を検討すべきだろう。

おわりに

CLOという役職が存在していることにより、アメリカにおいては物流に関する情報の「見える化」が進み、全社規模でのロジスティクス戦略を立てることが一般的となってきている。

逆に、これまで「ロジスティクスを管理する」という概念の存在しなかった日本においては、物流はブラックボックス化している部分が多く、その整備はあまり進んでいないというのが実状だろう。

日本企業でもCLOの導入を積極的に進めることで、物流において抱えている課題を解決できる可能性を秘めているのではないだろうか。