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【共同物流】ってなに?メリット・デメリットを徹底解説!

【共同物流】ってなに?メリット・デメリットを徹底解説!

物流コストの削減や自然環境対策にもつながる「共同物流」。しかし、条件によってはデメリットをもたらすこともあり、これをなくす仕組みを考える必要がある。

今回は共同物流のシステムの基礎知識と、メリット・デメリットについて紹介する。

荷主共同配送と輸送業者間共同配送の2種

共同物流とは倉庫または配送センターを共有して商品を保管し、“共同配送”を行うことを指す。この共同配送には、異なった荷主が共同で特定の輸送業者を利用する「荷主共同配送」、複数の輸送業者がお互いの輸送便を利用しあう「輸送業者間共同配送」の2種類がある。

2008年には、原油価格高騰の影響から、国内大手ビールメーカー数社が物流の一部を共有化することを発表。近年ではチェーン展開する飲食店やアパレル業界、パーツ製造業など、一部の業界で共同物流は一般的になっている。

共同物流の主なメリットは、物流コストの削減だ。例えば、生産者が個別に配送を行う場合は、それぞれ別々にコストがかかり、荷受け作業を行う配送先の負担も大きくなる。しかし、集荷場所を一本化し配送先ごとに一括配送すれば、荷主・荷受人ともに業務の効率が上がり、コスト削減にもつながる。特に同業種では商品の特性が類似しているため、配送にかかる業務も統一しやすい。単純に配送費が下がるだけでなく、管理費・資材費なども下げることが可能となるのだ。

ただし、これを実現させるためには膨大な量の荷物を集積させる拠点(共同配送センター)が必要となり、共同配送を行う業者の管理体制や安価な配送システムの構築なども必須となる。

共同物流の具体的なメリットとは

共同物流のメリットはコスト削減だけに限らず、配送の効率化や自然環境対策に良い影響をもたらす点なども挙げられる。

配送の効率化

生産者が直接配送を行う場合、1カ所の配送先に対して複数の生産者が個別に配送することとなり、それぞれ商品到着までの時間にばらつきが生じる。また、荷受人も生産者ごとの荷受作業に追われることとなる。しかし、生産者から一度共同配送センターに商品を集め、カテゴリや配送先別に仕分け作業を行ってルート別に配送をすれば、荷受人は一度で複数の生産者から荷物を受け取ることが可能となり、配送の受け取りにかかる手間も大幅に削減できる。

小口配送への対応が可能に

生産者が直接配送する際、ロット数が少ないとコスト上取引できないといった問題が起こりがちだが、共同配送を行うことによりルートが一元化。これによって小口配送が可能となり、これまで取引できなかった業者への商品供給が可能となる。

自然環境対策にも

荷物の積み合わせを行い輸送車両が減ることで、排気ガスやCO2排出の削減にもつながり、環境対策面でも良い影響がある。

共同物流のデメリット

コスト削減や小口配送が可能になるというメリットがあるものの、共同物流にはデメリットがないわけではない。例えば、納品情報が競合企業に筒抜けになることや、競合企業と共同して仕事を行うことに従業員が心理的抵抗を感じることもあるだろう。また、次に述べるように場合によってはコスト高になってしまうことも考えられるのだ。

コスト面でのトラブル

物量の多い地域では配送を一本化することによって大幅なコストダウンが図れるが、少ないエリアでは必ずしもそうとはいえない。配送センターの場所や集荷場所などの立地条件によっては、コストアップとなる可能性もある。また、納品先の構成・物量変動などに伴ってコストの見直しを図る必要があるが、これにも当然手間がかかる。そして、コストの集計はどの業者が行うのか、利益算定はどのようにするのかといった問題をあいまいにしてしまうと、のちのトラブルにもつながる。

委託業者の選定

荷主共同配送の場合、配送を委託する物流業者と、集配送を取りまとめる運営会社を定めるのが難しい。多くの場合は共同配送各社が委託している業者から選定するが、そのエリアが共同配送を実施するエリアと重ならないということも考えられる。また、委託業者が倉庫・車両などを保有している場合、自社の稼働率や売り上げ確保という問題もあるため、限定された範囲での共同化となる可能性もある。

責任の所在のあいまいさ

商品の破損や紛失などがあった際、複数の業者が関わる共同物流では、責任の所在も問題となる。

共同物流を成功させるコツ

前述のとおり、共同物流にはコスト削減や配送の効率化といったメリットがある反面、立地条件によってはコスト高になってしまう可能性や責任の所在があいまいになるなどのデメリットがある。これらを改善するためには、共同配送センターをどこに構えるのか、責任をどこに置くのかなどを、前もってきちんと話し合う必要があるだろう。

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