夏本番!冷凍車のトラブル防止にシーズンイン点検を!!

いよいよ夏本番を前に、冷凍車の手配を進めている会社さんも増えていることと思います。年々、要冷蔵・要冷凍の食品の配送は増える一方。嬉しい反面、故障やミスなどのリスクも大きく、運送会社としては気が抜けない季節でもあります。今回は冷凍車の夏を迎える前の準備についてご紹介します。

冷凍車の使用上の注意点

冷凍車は普段の使用方法によって、故障なく正常に使用できる期間を長くすることができます。どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

庫内の予冷を行う

冷凍車はあくまで「すでに凍っているものの凍らせた状態を保つ」機能を持った車です。庫内に凍っていないものを積んでも凍らせることはできません。ですので、事前に詰め込む荷物を凍らせ、さらに庫内をしっかり予冷しておく必要があります。

猛暑の夏場はこの予冷に時間がかかります。いつものシーズンと同じ感覚で予冷をしても、荷物搬入時に冷え切っていない危険もありますので、時間には相当余裕を見た方が良いです。

ヤマト運輸のクール宅急便の場合、通常冷蔵製品の予冷は-10℃以下で6時間以上、冷凍製品の予冷は-15℃以下で12時間以上ということです。
※参考:http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/cool/

夏場はこれよりさらに時間がかかることが予想されます。また、予冷の間はなるべく涼しい場所に駐車を行うことも必要です。直射日光が当たることで車体が熱を持つため日陰の方が良いでしょう。

積荷を素早く積み降ろす

冷凍車はエンジンがかかっている間に冷却装置が作動し、製品が冷たい状態を保ちます。大型の冷凍車の場合はサブエンジンが搭載されているため、常に冷却装置を作動させた状態にできます。中型、小型の冷凍車の場合は自動車のエンジンが冷却装置のエンジンも兼ねているため、駐車中にエンジンを切ることはできません。

さらに、配達先が密集している都心部の場合、短い時間で複数の配達先を回るため冷凍室のドアの開け閉めが頻繁になります。これも室内の温度を上げる原因になるため、積み降ろしの際は素早く行うこと、開け放した状態で長時間積み降ろしをしないことが絶対です。

さらにドアの開閉があまりに多くなると、庫内の冷気に外の熱気が頻繁に入ることによって、急激な温度の上昇が発生します。すると気体だった冷気が液化し、さらにそれがまた冷え凍ることで霜が発生するのです。霜が通風孔をふさぐ等で、十分に冷気が循環しなくなったり、冷却装置に異常を生じることがあります。運送中に冷凍車が故障する冷凍車の原因になるのです。

このことから夏の冷凍車での配送はドライバーに大きな負担をかけるので、助手をつける、配送先をあまり多くしすぎないなどオペレーション上の工夫も必要です。

積み方は均等に

荷物を詰め込む方法もしっかり冷凍状態を保つためには重要です。まず冷却風が出てくる口の近くに荷物を密集させて詰め込むのはNG。冷気が全体に行き渡らなくなり、霜が発生する原因にもなります。

荷物全体としても定期が荷物全体に行き渡るように、隙間をある程度開けることが必要です。荷物の詰め込みすぎには気をつけ、直接荷物を積むのではなくラックを使う等で冷えた状態を保ちやすくなります。

運送中に冷凍機が故障!?その被害は…

「真夏の運送中に冷凍機が故障して、積んでいる製品が溶けてしまった」というのは悪夢以外の何物でもありません。一説によると1台の大型冷凍車に積んでいる製品がまるまるダメになった場合、最低でも400万規模の損害になるという話もあります。
これまでの冷凍車に関する事故事例と、万が一の時の対応をご紹介します。

冷凍車の有名事件「グルーポンおせち事件」の被害額は…

もう10年近く前の事件にはなりますが、グルーポンおせち事件をまだ覚えている方も多いかもしれません。事前の商品告知とは全く異なる中身がスカスカなおせち料理が届いたことで波紋を呼んだ事件です。

このおせちは中身がスカスカ、内容が告知と異なる以外に、食品が腐敗していたことも問題になりました。腐敗は本来冷凍車で配達されるべきところを、冷蔵車で配達したことで発生しました。

グルーポンおせち事件はお正月用のおせち料理の宅配ということで真冬に起こった事件です。間違えて冷蔵車で配達したのは九州から北海道まで配達した計1268個のおせち。流石にこの距離だと、真冬といえども冷凍車でないと品質は保てなかったというわけです。

また、年末年始の時期はヤマト運輸の社員は法令遵守で休みを強制的に取らされるため、中小の下請けに外注していたという話もあります。そのため業務フローが通常と異なり、伝達事項がうまく伝わらなかった。結果、間違えて冷蔵車で配達してしまったということも原因の一つのようです。これがもし真夏に起こったとしたら被害はもっと深刻だったでしょう。

ちなみにこの時の被害額ですが、1個10,500円のおせちが1268個。冷蔵車で謝って運搬したことによる損害は、単純計算で1,331万円程度に上った事になります。

運搬中に故障が発覚した場合はどうすればいい?

グルーポンおせち事件はあってはならないミスによって発生した事件ですが、そうでなくても路上で冷凍車が故障する可能性は残念ながらあります。不慮の交通事故に巻き込まれることだってあるでしょう。

冷凍車の運搬中に故障が発覚した場合、速やかに会社の上司や担当部署に連絡しなければなりません。応急処置でなんとかなるレベルなのか、それともその冷凍車での運搬を諦め緊急で積み替え等を行わないといけないのか判断を仰ぐ必要があります。

一番まずいのは客先に品物が溶けた状態で届くパターンです。要冷凍なのに解凍されて届いた商品は全て破棄になります。ですので積荷はすべて損害額となってしまいます。それだけではなく客先からの信用を失うため、次回以降の配送の発注をもらえなくなる可能性も高いのです。これは会社の経営にとって大きな痛手です。

冷凍車の故障による損害は被害額も失う信用も大きいため、配送には細心の注意を払う必要があります。

故障する前のシーズンイン点検が大切

冷凍車の故障には非常にリスクが大きいため、本格的な稼動をする夏前にシーズンイン点検を行うことが大切です。

法律で定められている冷凍車の点検の義務は、3ヶ月に1回の目視等による簡易点検、サブエンジン搭載の冷凍車の場合は年に一回の定期点検です。しかし、これはあくまで法律で定められている点検というだけで、故障のリスクを下げるためには自主的にシーズンイン点検を行う必要があります。

機械式冷凍車の点検を行う場所は、大きく分けて6箇所に分けることができます。

冷凍車の重要点検6箇所

①コンプレッサ
気体の冷媒を循環させるための箇所です。冷媒は冷気を生じるさせるためのもので、主にフロンガスが使われます。コンプレッサは車体のエンジンの駆動力を利用して作動します。ですので、冷気を作るためには常にエンジンをかけておかなければいけません。大型冷凍車の場合はコンプレッサ専用のサブエンジンが搭載されています。

②エバポレータ
冷媒を蒸発させる役割の箇所です。冷媒が蒸発し液体から気化する過程で、庫内の熱を奪い温度を下げる働きがあります。

③コンデンサ
エバポレータの働きによって蒸気となった冷媒から熱を取り除きます。冷媒は再び液化し、コンプレッサにより循環します。

④冷媒配管
コンプレッサ、エバポレータ、コンデンサをつなぎます。冷媒が循環する通り道です。

⑤キャビンコントローラ
運転席から冷凍機の制御を行うためのコントローラです。

⑥コントロールボックス
制御基盤やリレー・ヒューズなどが入っています。この6箇所の全てに異常がないかしっかり点検を行い、もれなくメンテナンスを行うことが必要なのです。

シーズンイン点検は自力で可能か

冷凍車の点検は自力でできないこともありません。例えばコンデンサが汚れていたり目詰まりを起こしているのは目視でわかりますし、コンプレッサを稼働させる駆動ベルトから異音がするのも聞けばわかります。

しかし、表から見ただけではわからない劣化もあります。夏場の運送中にそれまで異音がなかった駆動ベルトが突如緩んだり切れたりというケースは実際にあるのです。

故障が見つかった場合の修理及び部品の交換についても、即日できるケースは少ないです。真夏のようなハイシーズン中に故障が見つかり冷凍車が用意できなくなった。高額なリース料を払って無理やり代車を手配したり、協力会社に案件を依頼せざるを得なくなったというのでは、勿体無さすぎます。

ですので、点検・修理・部品交換等のメンテナンスを全部まとめて行うことができる専門業者に頼むのが、一番リスクが少なく手間もかかりません。

いそのボデーなら冷凍車のメンテナンスも安心!

冷凍車の点検、メンテナンスには専門知識と技術力が必要です。特に夏前のシーズンイン点検は間違いなく行い、運送中の事故が起こらないように細心の注意を払う必要があります。

いそのボデーは半世紀にわたり、冷凍車をはじめとする業務用トラックの開発を行ってきた実績があります。故障のリスクを下げ、安心・安全な運搬を行うなら、いそのボデーのメンテナンスにおまかせください。

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