特装車の法定点検とは?ごみ収集車(塵芥車)とタンクローリー車のメンテナンス!

特装車は通常の乗用車よりも現場でハードな使われ方をするため、法律によって点検が義務付けられています。今回は特に、ごみ収集車(塵芥車)とタンクローリー車の法定点検と故障の危険性について掘り下げていきます。

法律で定められた点検の意義

特装車は日常点検、月次点検、年次点検を行うことが定期点検として法律で義務付けられており、その中でも特に年次点検は法定点検となる重要な点検です。

定期点検を行う義務がある特装車は以下の7種類です。

・高所作業車
・穴掘建柱車
・コンクリートポンプ車
・クレーン付トラック
・タンクローリー車
・ごみ収集車(塵芥車)
・ダンプトラック

この中で高所作業車、穴掘健柱車、コンクリートポンプ車、クレーン付トラックは定期点検を行っていなかった場合、50万円以下の罰金が発生します。タンクローリー車は消防法による30万円以下の罰金、計量法による50万円以下の罰金が両方発生する可能性があり、罰則が厳しいです。ごみ収集車(塵芥車)とダンプトラックは特に罰則規定はありませんが、車検に通らなければ公道を走ることはできないのは一般車両と同じです。

特装車は一般車両と違い、負荷がかかる部分が多かったり、電気系統が複雑です。またオイルや配管など漏れたり破損することで危険が発生しやすく、ハードな現場での酷使により腐食や傷みも進みやすいというリスクも抱えています。

作業中や公道を走行中の事故を防ぎ、作業員や周囲の人々の身を守るために、法律で定められた日常点検、月次点検、年次点検を行うことは重要です。

ごみ収集車(塵芥車)の法定点検

ごみ収集車(塵芥車)と一口に言っても実は3種類あります。

・プレス式
・回転板式
・ロータリー式

この中で現在メジャーなのはプレス式と回転板式です。プレス式にしても回転板式にしても、板が積み込んだゴミを圧縮して車両に積み込むと言う仕組みになります。この圧縮する力が最も強いのがプレス式で、粗大ゴミや電化製品であっても破砕することができるパワーを持っています。回転板式はそこまでのパワーはありませんが、家庭ごみや枝葉のようなゴミの回収には向いています。

ゴミを圧縮する板はプレスプレートや回転板と呼ばれますが、ここには強い負荷がかかるため、接続部を含め最も故障しやすい場所です。積んだゴミの汚水による腐食も忘れてはいけません。また、油圧式で作動しているためオイルが古くなることによる油圧ポンプ周りの劣化もあります。日々の点検を怠るとあっという間に故障してしまうのです。

定期点検ではごみ収集車(塵芥車)全体の点検をしていきますが、特に油圧周りは油圧力、オイル交換やフィルタ交換等、重点的に確認する必要があります。ここに故障があると正常に動作しない可能性が高くなるのです。

ごみ収集車(塵芥車)のパーツは消耗品と考え、必要な時に適切なパーツを交換する必要があります。さらにごみ収集車(塵芥車)全体の清掃をきちんと行い汚れを取り油をさすことで、車体を長持ちさせることにつながります。

ごみ収集車(塵芥車)に多い故障原因

ごみ収集車(塵芥車)の火災が近年非常に増えています。これは本来の収集物ではないスプレー缶やライターなど、発火する可能性のあるものを分別せずに出されることによって発生します。従来の回転板式のパワーであれば、スプレー缶などが紛れ込んでも破砕されずに奥に積み込まれるだけでしたが、プレス式でパワーアップしたことで硬いスプレー缶などがタンクの中で引火するケースが相次いでいます。

火災が発生するとプレスプレートや回転板周りは当然ダメージを受けます。架設部分が全てダメになることも多く、その場合は廃車にするしかありません。普段のメンテナンス不足が事由の故障ではありませんが、最近特に多いリスクです。

油圧関係の故障もよく聞かれます。ゴミ投入口の蓋が開かなくなった、開いたまま閉まらなくなったなど。この手の故障は毎日の定期点検をしっかり行っていればある程度予防することができます。また、電気系統も普通の車よりも劣化しやすいため、まめにメンテナンスが必要です。配線の交換や補強が必要かどうかは常に観察しましょう。

また、いわゆる自治体のごみ収集のような事業ではなく、造園業を営むなど小規模な個人でごみ収集車(塵芥車)を運用している場合もあるでしょう。中途半端に荷台に溜まったゴミを処分せずに、次の使用まで期間が空いた場合、荷台自体が腐食し大掛かりな修理が必要になることもあります。

ごみ収集車(塵芥車)は定期点検を怠りメンテナンスをしないと、あっという間に使い物にならなくなってしまうのです。

タンクローリー車の法定点検

タンクローリー車は特装車の中でも厳しい法定点検が定められています。点検箇所、項目も他の特装車に比べると多いです。危険物を積載する用途で用いられることが多いため、消防法と計量法双方から法定点検をしなかった場合の罰則が定められています。危険物には石油、劇薬、毒物、高圧ガスなどがあり、これらを積載するタンクローリーは独自に追加の点検が定められている場合があります。他には牛乳やシロップなどの飲食物、セメントなどを積載します。

タンクローリー車では各所に消耗品であるゴムパッキンが使われているため、日常点検で磨耗していないか確認することは大切です。また、安全弁やアースリールが正常な状態かなど、事故につながる劣化も防がなければなりません。パッキン部分だけで言っても日常的な点検箇所は17箇所にも及びます。

さらに積載している内容物を排出するためのホースもひび割れが発生しやすく、接続部の部品も劣化しやすいです。この部分の劣化によって油が漏れてしまいます。

消防法に基づく定期点検

毎日の日常点検は法規で義務づけられていますが、1年に1回以上消防法で定められている定期点検を受けなければなりません。これを受けない、もしくは記録を残していないと30万円以下の罰金が生じます。記録は3年間残す義務があり、点検は有資格者が行うか、もしくは立ち会わなければなりません。

さらに5年に1度は、タンク本体から内容物が漏れないかの点検をすることも定められています。これは再検圧試験といい、試験結果は10年間保管する義務があります。

計量法に基づく定期点検

また、石油やガソリン、牛乳などの液体を積載する用途で用いられるタンクローリー車には、内容量を量る流量計がついています。これも5年に1回の再検定が義務付けられています。

タンクローリー車に多い故障原因

タンクローリー車の公道での事故はその被害が大きいこともありこれまでもよく報道されてきました。公道で起きる事故は運転ミスによる横転や追突による交通事故が多く、さらに破損したタンクローリーから燃料等が漏れ出ることによる二次災害が発生する可能性があります。車体が大きく小回りがきかず、重量があり急停止が難しいため、少しの気の緩みが事故につながるのです。

メンテナンス不足や突発的な破損等によるタンクローリー車に多い故障は、ホースやタンク自体の損傷です。これにより燃料が漏洩する事故は後を絶ちません。実際に引火して災害が発生するのは工場等での積み込みや排出のタイミングが多いようです。

「燃料が漏洩した原因がわからずになかなか止められず大量の軽油が敷地内に溢れてしまった」「漏洩していることに気づかず作業員に危険物がかかった」など施設や人体への被害が大きいのがタンクローリー車の故障です。
※参考: http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-kikenbutuka/h18_kikenjiko.html

日常点検をしっかり行い法定点検をしっかりパスできるように日々心掛けましょう。

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特装車の毎日の日常点検は、自社で行う必要があります。担当の整備士やドライバーにはマニュアルをしっかり読みこんでもらい、チェックシート等を使い厳密に点検をしてもらわなければなりません。

1年ごとや5年ごとの定期点検は、有資格者もしくは有資格者の立会いで行う必要があります。定期点検に関しては検査項目が多く、国で定められているため厳しいのが現実です。車内に有資格者がいる場合もあるでしょうが、点検専門の担当者でもない限りは自社で定期点検を行うのは大きな負担になってしまいます。

ですので、特装車の定期点検は専門の業者に外注するのがおすすめです。弊社いそのボデーは50年以上にわたって特装車の点検、メンテナンス、製造を手がけてきた実績があります。漏れ無く定期点検を行い、必要なメンテナンスをした上で、お客様のもとへ安心安全な特装車を納品いたします!

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