ガソリンや灯油など燃料を安全に運ぶためにはタンクローリーを定期的に点検する必要が有り、その定期点検は法律で義務付けられています。ガソリンスタンドにガソリンや灯油を運ぶ大型のタンクローリーは勿論、寒冷地で多い小型車(多くは2t車で、冬場のストーブ用の灯油を各家庭に販売するための車両)のタンクローリーも対象です。
例年メンテナンスせずに放置し、突然故障して動かなくなる事態も発生しています。また、灯油配達の繁忙期となる冬前に是非とも注意して頂きたいのが、春・夏にタンク内に入った湿気が冷えて油の中で氷になる現象です。
定期点検をしっかり認識し、安全にタンクローリーが使えるように点検の種類やお役立ち情報を解説します。
法律で義務付けられた定期点検の期間とは
危険物を運搬するタンクローリーは、日常点検、3カ月ごと、1年ごと、5年ごとの定期点検が法律で義務付けられています。「有資格者」が行う、もしくは立ち合いのもと行う必要があります。
点検を怠ると罰則があるだけでなく、危険な事故につながることもあります。
続いて、点検箇所を詳しく見ていきましょう。
点検箇所【タンクローリー小型の場合】
1.タンク本体
2.タンクフレーム
3.タンクの固定
4安全装置(安全弁)
5.マンホール
6.注入口
7.静電気除去装置
8.防護枠・側面沸く
9.底弁
10.配管
11.弁類(底弁除く)
12.底弁手動閉鎖装置
13. 底弁自動閉鎖装置
14. アースリール
15.注入ホース・結合金具
16.表示・標識
17.ポンプ
※流量計がとりついているタンクローリーは5年ごとに流量計の再検定が必要です。
タンク内部に水が浸入する仕組みと危険性
東北地方や北海道では春~夏にかけて湿気が多いです。湿気がタンク内に入ることによって、秋以降の外気温の低下とともに、油の中で冷えた湿気が氷となります。
故障して車両が使えなくなる例もあり、冬前に点検を呼びかけているものの、点検する運送会社が少ないのが現状です。
路上での抜き打ち検査も
例年、灯油ストーブを使用する雪国などでは繁忙期となる冬前に路上で抜き打ち検査が行われることが多いので注意が必要です。
抜き打ち検査で引っかかるとすぐに罰金など罰則を受けることは少ないようですが、消防署への持ち込み再検査に受かるまでいかねばならず、大事な時期に時間を拘束されてしまいます。
日頃から入念な点検をし、月次、年次点検のついでにメンテナンスを行い、いつ検査を受けても大丈夫なように備えたいですね。
定期点検は専門技術のあるサービス工場へ
タンクローリーなどの特装車のメンテナンスはメーカーのサービス指定工場になっている整備事業者に依頼すると安心です。
専門知識と技術力でしっかり点検やメンテナンスをしてくれます。故障する前の点検で安全にタンクローリーを使用しましょう。