物流を支えるトラックには、ウイングやテールゲートリフター、クレーンなど様々な油圧装置が装備されています。
また、塵芥車やミキサー車などの特装車両、ダンプなどの動力としても油圧装置が使われます。
油圧装置のメンテナンスとして重要なことの一つに作動油の点検と定期的な交換があります。
作動油の劣化や漏れによる故障を防ぎ良い状態を維持できるよう、
交換の頻度や作動油の種類について解説致します。
作動油を点検、交換しないことによるリスク
クレーンやテールゲートリフターは作動油によって動力が伝えられ、動作しています。
その作動油が劣化したり、漏れてしまったりすると油圧シリンダーなどの内部にある精密な部品に傷が付いたり、カジリ、焼付きが発生したりし、故障につながります。
作業中に故障してしまった場合、作業ができなくなってしまうばかりでなく、事故につながる危険性もあります。
故障するまで長期間、作動油を交換せず使用を続けると破損した部品の交換など高額な修理費用が発生してしまいます。
なぜ油圧装置の作動油は劣化するのか
油圧回路内は高い圧力がかかっており、そこに摩擦などにより激しい温度変化が発生するため、作動油にとっては化学変化が起こりやすい環境といえます。
また、作動油の添加剤が酸化したり、水分や鉄粉などが侵入したりすることで劣化が進みます。
過酷な環境で循環する作動油にとって劣化は避けられない現象なのです。
どのくらいの頻度で作動油を交換すればいいのか
油圧シリンダーなどのアクチュエータが新品の場合、装置内部での金属の摩擦が原因で金属カスが発生することがあります。
金属カスが油圧回路内に残ってしまうため、初回は使用を始めてから3ヶ月後程度で作動油を交換することをおすすめします。
初回の作動油交換以降では、1年に1回程度の頻度で交換することで油圧装置の健康を守ることができます。
作動油の劣化が避けられない以上、定期的な交換は突然の故障を防ぎトータルコストで考えるとメリットは大きいのです。
作動油の分類と粘度
作動油には主に石油系作動油(鉱物系作動油)、合成系作動油、水溶性作動油(含水系作動油)の3つに分類されます。
使用環境やシステムに適合する作動油を選定する必要があります。粘度の程度による分類規格があり32、46などの種類で分けられています。
粘度は数字が小さいほど柔らかくなります。
DIYによる作動油交換の注意点
特装車両の油圧装置における作動油交換は資格や免許がなくても行うことができます。
しかし、適切な作動油の選定やタンクに応じた適切な量で交換しなければなりません。
作動油の入れ過ぎは作動油タンクのパンクや破損につながります。
気温が高い夏場はタンクが膨張している場合があり、気温変化により異常が発生する可能性があります。
また、抜き取った古い作動油は適切な方法で処分しなければなりません。
以上のことから油圧装置の作動油交換をする場合は、専門の特装車両メンテナンス事業者に依頼すると安心です。
特装メーカーのウェブサイトなどで地域ごとのサービス指定工場が公開されているので最寄りのサービス指定工場を調べることができます。
適切な作動油のメンテナンスで油圧装置の健康を守る
特装車両の油圧装置において作動油はまさに血液のようなものです。
定期的に適切な作動油交換で安全に特装車を使用できます。
最寄りの特装メーカーサービス指定工場でのメンテナンスを受けることもできるため、是非故障の前に作動油交換をしましょう!
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