トラックの装備として重要な『リアバンパー』と『燃料タンク』の法改正について、簡単に解説します。
新型車両では既に新基準が適用されていますが、
継続生産車も令和3年9月1日から適用となりました。
トラックの装備品は、法改正によって積載量に影響を及ぼすものや以前と同じ部品が使えない場合があるので、
注意が必要です!
ぜひこの機会にご確認ください。
リアバンパーの基準改正
後部車両突入防止装置の取り付け位置及び強度に関する基準の改正(UN-R58-03関係)
【改正概要】
・後方からの車両突入防止性能を強化する為、後部突入防止装置(リアバンパー)の取り付け高さ、車体後端からの位置等を変更。
・突入防止装置の強度試験を強化(負荷荷重が現行の2倍に)
【適用範囲】
・車両総重量3.5tを超える貨物自動車及び、ポールトレーラに備える後部突入防止装置並びに突入を防止する構造。
【適用時期】
新型車:2019年9月1日
継続生産車:2021年9月1日
・上記の改正によって旧型から重量が倍以上増加するものもあり、積載量に影響を及ぼします。また、取り付け高さが旧型より低くなる車両はデパーチャアングル(車がこう配から降りる際、リアバンパー下部が坂に当たるか否かの目安になる数値)が悪化する可能性もあります。
燃料タンクの基準改正
燃料漏れ防止基準(UN-R34)
【改正概要】
・現行タンクの基準のほか、タンク及びタンクに取り付けられている装置を装備した際の加圧試験を追加
・金属製のタンクにも腐食性にかかる試験を追加
・注入キャップの基準の追加(従来の「空気が抜ける構造」から「密閉式」に)
・自動車転覆時燃料漏れ試験の追加
【適用範囲】
・液体を燃料とする自動車
【適用時期】
新型車:認可年月日が2018年9月1日以降の新型車
・現在はタンク交換またはタンク増設の際に、新型車か継続生産車なのかの確認が必要です。
・旧基準の注入キャップは「空気が抜ける構造」ですが、新基準では「密閉式」のキャップに変更となります。旧基準のタンクに新基準の注入キャップを付けてしまうと破損の原因となるため、購入の際には注意が必要です。基準適用前の車両に新基準タンクの取り付けは可能です。
以上の改正内容は、車両の安全対策をより一層強化することが目的です。
しかし、新基準のリアバンパーは重量が大きくなり積載量に影響を及ぼす点や、燃料タンクの部品交換には事前に確認が必要といった事がわかりました。
重大事故を防ぐためにも、しっかり基準を守って装備しましょう!